バイオマスプラスチックとは




プラスチックは、強い耐久性や加工のしやすさなどその汎用性の高さから私たちの生活を便利にしてきましたが、一方でゴミとして焼却される時の温室効果ガスの問題や海洋プラスチックゴミ問題、気候変動問題等との関連を指摘されています。
このような状況を受け、日本では2019年5月にプラスチック資源循環戦略を策定し、同年に開催されたG20大阪サミットで、2050年までに海洋プラスチックゴミによる汚染をゼロにまで削減することを目指した大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを各国首脳で共有しました。また2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組みを行うことを宣言しました。

プラスチック資源循環戦略においては、3R+Renewableの基本原則と、6つの野心的なマイルストーン(数値目標)を目指すべき方向性として掲げ※1・2、プラスチック製容器包装・製品の原料を、バイオマスプラスチックをはじめとする再生可能資源由来の素材に適切に切り替えていく等の方針を重点戦略として提示しました。マイルストーンでは、2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすることや、2030年までにバイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入を目指すことなどが目標として記載されています。またバイオプラスチックの導入に向け、用途や素材等にきめ細かく対応したバイオプラスチック導入ロードマップが策定されました。
 
このようにプラスチックを使用することで引き起こされる様々な地球環境問題に対する施策として、「バイオプラスチック」の利用が注目されています。

「バイオプラスチック」とはバイオマスプラスチックと生分解性プラスチックを総称した呼び名で、その中でも「バイオマスプラスチック」とは原料として植物などの再生可能な有機資源を使用するプラスチック※2のことを言います。
 
「バイオマスプラスチック」にはPHA、PLA、バイオPBATなど自然に分解されるものとバイオPA、バイオPC、バイオPEなど自然に分解されないものがあります。また100%バイオマス由来の資源を原料とした「全面的バイオマス原料プラスチック」と、原料の一部がバイオマス由来の「部分的バイオマス原料プラスチック」に分けられます。
主な用途としてはカップ麺の容器やお菓子の小分け袋などの食品容器包装やレジ袋などの非食品容器包装、衣料繊維、電気・情報機器、OA機器、自動車などがあげられます。

「生分解性プラスチック」とは、プラスチックとしての機能や物性に加えて、ある一定の条件の下で自然界に豊富に存在する微生物などの働きによって分解し、最終的には二酸化炭素と水にまで変化する性質を持つ。原料として植物などの再生可能な有機資源、又は、化石資源を使用したもの※1を指します。
生分解性プラスチックは、強度が低いことやいずれ分解されてしまうため長期間使うような製品には不向き=用途が限られていることから、2018年のプラスチック国内投入量年間約9,920千トンのうちバイオマスプラスチックは約41千トン、生分解性プラスチックは約4千トンという状況です。※1
 
ナンバースリーの製品では
●ヒュウケア シャンプー ナリシング 300mL / 660mL ボトル
●ヒュウケア シャンプー リバイタライジング 300mL / 660mL ボトル
●ヒュウケア トリートメント ナリシング 200g / 500g ボトル
●ヒュウケア トリートメント リバイタライジング 200g / 500g  ボトル
●ヒュウケア ヘアオイル 115mL
●人が花 シャンプー 300mL/660mLボトル
●人が花 トリートメント 300mL/660mLボトル
●Me2U シャンプー 300gボトル
●Me2U トリートメント 300gボトル
これらの商品にバイオマスプラスチックを使用しています。(一例)
 
バイオマスプラスチックの原料は、主にトウモロコシやサトウキビ、トウゴマなどです。一般的なプラスチックは、石油から作られるため、石油の採掘からプラスチックの製造、製品への加工、そして廃棄するときの焼却など、様々な家庭でエネルギーを使います。その過程で多くの二酸化炭素を出すことになります。

ここで注目したいのが、カーボンニュートラルという言葉です。カーボンニュートラルとは、バイオマスに含まれる炭素分はバイオマスがその成長過程において大気中の二酸化炭素を固定したものであり、バイオマスを再生産する限りにおいては、バイオマスを燃焼しても大気中の二酸化炭素は増加しないという考え方のことを言います。※1
分かりやすくいうと、バイオマスプラスチックの原料は、植物などです。植物は栽培されているとき、光合成で二酸化炭素を吸収するので、製造するときや廃棄・焼却したときに二酸化炭素を排出しても、バイオマスプラスチックの一生の中で出る二酸化炭素の量は、プラスマイナスでゼロに近づけることができるという考え方です。
 
ここまではバイオマスプラスチックの良い点を挙げてきましたが、いくつかの課題点もあります。まずはコスト面についてです。バイオプラスチックに必要な原料は、化石資源由来のプラスチックに比べて、コストがかかる傾向にあります。化石資源由来プラスチックと比べた各バイオマスプラスチックの単価は、バイオPEが約3倍、バイオPETが約1.5倍※1というデータがあります。
そして原料についても、製造過程で用いられる原料のトウモロコシやサトウキビはその殆どは可食部が用いられて製造されています。現状では問題が無くても、将来、原料需要の拡大が進むことで、食料のほか燃料用途のバイオエタノール等の原料との競合も発生するおそれがあります。また需要が高まるとされているものの製造設備の整備が整っていないなどの問題も指摘されています。今後、バイオマスプラスチックの導入を推進することに並行して様々な課題を解決していくことが求められています。
 
ナンバースリーでは2025年までに化粧箱入り製品を除くすべての660mL、620g用プラスチックボトルをポンプレス&バイオマスに変更し、プラスチック量を削減することを目標としています。
また現在のバイオマスプラスチック採用商品数は72商品です。(2023年12月時点)ヘアケア・スタイリング剤・パーマ・カーリング製品のうち、バイオマスプラスチックを採用している割合は23.2%です。(2022年12月時点)
 
今回はバイオマスプラスチック製品の導入についてお話しましたが、ナンバースリーは「WELLBEING」を企業活動の中心に据え、さまざまな「未来のためのアクション」に取り組んでいます。一例としてSBT(Science Based Targets)の活動をご紹介します。
2015年のパリ協定を契機に世界各国が温室効果ガス削減に動き始めています。当社では、温室効果ガス(GHG)排出量削減の国際的イニシアティブ「SBT」に準拠して二酸化炭素の排出量を2030年までに42%削減するという短期目標と、2050年までに実質ゼロに(90%以上削減)するという長期目標を2022年10月に認定を受けて掲げ、脱炭素社会の実現に向けて、全社一丸となって取り組んでいます。
当社は信頼され情熱を持って革新と学びの環境の中で、サロンやパートナーと一体になり協力して、科学的に効果が実証されるフォーミュラを探求していきます。更に、効率的な生産工程とリサイクリングアイデアを導入し、世界のサスティナビリティ(持続可能性)向上に貢献し、ナンバースリーに関わる全ての人達がナンバースリーの「ウェルビーイングソリューション」の一員であることを誇れるようになることを目指して参ります。
 
参考資料
※1 環境省 プラスチック資源循環戦略
※2 環境省、経済産業省、農林水産省、文部科学省 バイオプラスチック導入ロードマップ- 持続可能なプラスチックの利用に向けて –